料理屋 とりしげ

料理屋 とりしげ
竣工:2023年
種別:店舗改修
構造:木造+鉄骨
施工:穴井工務店
暖簾:シロクマ3

古くから地元に愛され続けてきた老舗料理屋の改修。表の顔出しと、カウンターでの料理提供もできるようにと、店舗の一部を大きく変更することが求められた。外部階段上部のエントランスは、前面道路からの視認が悪く、店舗内の様子も伝わりにくい。そこでスチールフレームによる新たな数寄屋門を設置し、店舗の稼働状況がわかるサインとしての暖簾を計画。また、カウンターを外部階段上部に位置するスペースに配置し、外部に中の様子が見えるように、大きな窓を設置した。内装は、新たな改修部分と古くから使用されている部分を必要以上に馴染ませず、各々の時代がわかるように計画し、次なる改修があってもその部分にとどまることができる総体的なデザインを意識している。街に根付く料理屋では、家族の大切なイベントや仲間との会合、子供の時からお世話になっているなど、数多くの物語が詰まっており、改修する際にはその馴染みのお客さんの心情も大切に受け継ぎたいと思った。「バトンの繋ぎやすさ」と「ちょうど良い」は建物や空間が愛され続ける大きな要素だと思っている。

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