第2回ベツダイ住宅設計コンペB「新しい形のスマートハウス」
計画:2013年
延べ床面積:117m2(35坪)
種別:戸建て住宅(新築)
構造・規模:木造平屋
撮影:Nagahama Design Studio
福岡市中心部から車で1時間ほどに位置する住宅地に平屋の住宅を計画しました。郊外であれば敷地面積60坪を越える宅地でも手頃な価格で購入することができる状況も、九州ならではの大きな特徴のひとつです。しかしながらたいていの場合、住宅は2階建てとして計画され敷地の北側奥へと追いやられます。広い庭と明るいリビング、南面する広い個室という幻想が支配する住宅地でその街の景観を形作る要素は、南側に取られた皮肉にもけして広いとは言えない庭とカーポートです。この計画では、厳しい夏の日差しを遮る装置としての大屋根を敷地全体に掛け、建蔽率を基準内におさめるため一部に開口部を設けました。その開口部の下は軒下を利用した半屋外的な庭となっており、各居室に光と風を送り込みます。また、大屋根の下には断熱層を伴うフラットな屋根が夏季の猛暑から居室を守る仕組みとなっています。土とともにある生活、風雨と暑さをしのぐ大きな屋根が九州の住宅街に新しい風景を作りだすことを意図しました。